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院長インタビューinterview
健康のためだけに
生きているわけではない
「自分らしい人生を送るのに
何が必要か?」を一緒に考える
Interview 01
生活習慣病の治療で大切に考えていることは?
その前に私個人の意見として、生活習慣病、旧称は成人病ですが、この“生活習慣病”という病名に少し問題があると思っています。
生活習慣病という病名にはどこか、「これまでの行いが悪いから、病気になった」というようなイメージがあると感じています。
だったら、旧称の成人病の方がまだ良いという印象で、もちろん病態を正確に表しているのは生活習慣病の方なのですが、「病気になった人に責任がある」というイメージにはとらわれないようにしなければいけないと思っています。
そのうえで、生活習慣病を治療する時に考えるのは、「皆様、健康のためだけに生きているわけではない」ということです。
ですが、自分らしい人生を送るのに何が必要かと言えば、健康です。
そして健康を維持・保持するために、人によっては今までの生活習慣を変えなければいけない場合があります。
この時「医者に言われたから生活習慣を見直す」という意識では難しく、どうして・何のために生活習慣を変えなければいけないのか?毎日の生活の中でどういう風に変えていけるのか?それを患者様と一緒に考えていくことを大切にしています。
Interview 02
具体的に患者様とどんな話をされるのですか?
生活習慣の改善が必要な時、医師が「こういうことをしてください」と言うだけでは変わりませんし、行動には移せません。
変化・行動のための“動機づけ”が必要で、そのために患者様には“このままでいることの利益と不利益”について考えてもらうようにしています。
例えば、お菓子を食べるのが好きな方がおられたとします。
この場合、生活習慣を変えることで毎日好きなお菓子が食べられなくなることがその方にとっての“不利益”で、間食をやめることで痩せられたり、腰痛や膝痛が改善されたり、糖尿病などを心配しなくてよくなることなどが“利益”です。
そういうことを考えてもらって、どうするのかをご自身で決めてもらい、ご自身の意思で変化・行動してもらうようにしています。
Interview 03
患者様の主体性が大事ということですね?
もちろん、かかりつけ医として生活習慣の改善のためのサポート・アドバイスはしますが、医師が上から目線で言ってしまうと患者様の心理で「でもね…」という部分が生まれてしまいます。
「そうですね。わかっています。でもね…」という、その「でもね」の部分が育ってしまうと、生活習慣の改善の先にあるゴールに到着するまでに遠回りとなります。
なので「〇〇しなさい」ではなく「○○してみませんか?」と提案して、あくまで患者様に考えてもらい、変化・行動してもらえるような診察を心がけています。
「○○しない」は続かない
生活の中で何ができるのか?
考えて工夫することが大事
Interview 04
患者様に変化・行動を促すのは難しくないですか?
そのためにも、まずはその方が生活で“大切にしていること”をおうかがいするようにしています。
「定年までしっかり働きたい」と思われているのなら、定年まで元気でいるためにはどうすればいいのか?今の生活のままだと難しくないか?そういうことを考えてもらうようにします。
「家族とずっと幸せに暮らし続けたい」と思われているのなら、そのためにどうした方が良いのかイメージしてもらうようにしています。
普段意識していなくても、質問されることでご自身が大切にしていることというのはクリアになってくるものです。
大切なものをクリアにしたうえで、大切なもののために変化・行動することでどんな良いことがあるのか、あるいはどんな面倒が生じるのか、先ほどの利益・不利益の話ですね、そのことをよく考えてもらい、どんな変化・行動を起こすかご自身で決定してもらっています。
Interview 05
そうなると、かなり診察に時間がかかるのでは?
そうですね。
私は“MINT(動機づけ面接トレーナーネットワーク)メンバー”で、生活習慣の改善のための動機づけとして、患者様との対話を何よりも大切にしていますので、お一人おひとり丁寧に診察しています。
生活習慣の改善のために、医師が24時間つきっきりでサポートするわけにはいかず、ご自身の意思で生活にアクセントをつけていくことが大事です。
ここで重要なのが“生活にアクセントをつけていく”というところで、今までとまるっきり違う生活を送るわけではないということです。
私は「○○しない」「○○しなければいけない」は続かないと思っています。
例えば、生活習慣のために間食を控えなければいけないのなら、「お菓子を食べない」ではなく「週に2日だけお菓子を食べる」に変えるのです。
ウォーキングが続かないなら、「1時間歩くのは無理だけど、30分なら歩ける」「雨が降ったら歩きたくなくなるけど、晴れの日なら気持ちが良いので歩けそう」と考えるようにするのです。
このように、生活の中で「何ができるの?」ということを一緒に考えて行くことこそが、医師として“患者様に寄り添う”ことだと思っています。
Interview 06
話を聞いていると、「自分も生活習慣が
改善できるかも?」という気になってきます
どんな毎日を送り、どんな人生を歩むのか、それを決めるのは患者様自身です。
医師から「こんな生活を送りなさい」「そんな生活を送っては駄目です」と言われても、なかなか変わりません。
むしろ、モチベーションが低下してしまう恐れがあります。
昔は私も、患者様にそうした「○○しない」「○○しなければいけない」という言葉を投げかけていた時期がありました。
ですが、そうした言葉をいくら投げても、患者様が変化しない・行動に移さないことに不全感がありました。
今は患者様に「体のことを心配せずに、安心して楽しい毎日が送れる人生を目指しませんか?」と提案しています。
「目指しましょう」ではなく「目指しませんか?」というところがポイントで、言葉1つで人は指示されているような気になって、自発的な変化・行動に繋がらないことがあるので、そうしたちょっとした言葉づかいにも気を配っています。
あなたらしさを守るお手伝い
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Interview 07
最後に、サイトをご覧の方へメッセージを
お願いします
もちろん、健康のために生活習慣を見直すことは大事ですが、最初にも言った通り人は“健康”のために生きているわけではありません。
お一人おひとりで“大切にしたいこと”“その人らしい暮らし”は違います。
それを一緒に考えて、大切なこと・あなたらしさを守るお手伝いをさせていただきます。
糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症・痛風、肥満・メタボリックシンドロームなどの生活習慣病でお悩みでしたら、お気軽に当院へご相談ください。